50代になり,第二の人生で,起業をお考えの方が,いらっしゃると思います。最近は,起業のハードルも低くなり,興味のある分野で起業をお考えの方も,少なくないと思います。
サラリーマンと違い,一国一城の主になりますので,憧れるのは無理もありません。
しかし,起業はそれほど優しいものでは,ありません。
中小企業白書の近年における個人事業主の廃業率をみると,
3年で62.4%
10年で88.4%
となっており,約4割が,1年目で廃業しているようです。
このように厳しい環境の中,起業を目指す方々は,やはり,強い信念をお持ちだと思いますが,運悪く,うまくいかなかったケースも多数あるようです。
そこで,今回,私の身近な方で,起業がうまくいかなかったケースをご紹介して,そこから,私なりに学んだことをご紹介したいと思います。
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起業がうまくいかなかった事例
私の先輩にあたる方が,会社を定年退職しました。
長年,インフラ関連事業に携わり,通信会社などに強いパイプをもち,部長まで出世なさりました。いわゆる,勝ち組と言われる方々です。
定年退職後,新しい会社を立ち上げることの検討を行っておりましたが,タイミングよく,ある製品の新規事業の話が持ち上がりました。
その製品は,性能が他社よりも優れており,また,注目されていた技術であったために,その話に,飛びつきました。
しかし,この製品分野は,いままで,先輩が取り扱ったことのない門外漢の製品分野で,かつ,強みである通信会社等に納入できる製品ではありませんでした。今から思うと,少し,無謀な計画だったかもしれません。
そして,販売事務所のみならず,製品コストを抑え,より多くの顧客に販売したいと考え,工場および新しい設備にも投資しました。
この時点で,数千万規模の投資額になりました。
そして,会社を設立し,運営が始まりました。
しかし,その製品は,なかなか顧客には売れませんでした。年に数百万程度の販売でした。製品そのものの優位性が,他社と比較して,想定したより高くなかったようです。しかも,製品の顧客と思われる会社へのパイプがなく,販路をなかなか広げられなかったようです。
これでは,工場を稼働することはできませんでした。
その後も,営業活動を続けましたが,販売は伸びずに,結局,会社を閉鎖することになりました。
そして,回収できなかった投資金額の数千万は,大切な老後資金から捻出するはめになりました。
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失敗実例からわかったこと!
私の先輩の失敗実例から,私なりにわかった失敗の原因を以下に記します。
会社員時代の成功体験を過信したこと
会社員時代は,部長で,それなりに実績,経験のある方々でした。
その結果,自身のビジネススキルに過信したと思います。
しかし,起業となると話は,異なるようです。やはり,ビジネスの勘は,個人の感性であり,会社の役職や成功とは,あまり関係ないと思います。
しかし,会社員時代に成功したことのプライドを捨てることは,本当に難しいことです。多くの定年退職者が,このプライドのために,前に進めないのではないでしょうか?
会社員時代の役職,実績,経験は,一旦捨てて,初心に戻って,新しいビジネスを考える必要があると思います。
新しい分野へ挑戦したこと
今回,いままで経験してなかった製品分野の新規事業を開始しました。その結果,インフラ事業分野のパイプといった強みを発揮できなかったと思います。
もし,強みを生かせる製品分野であったら,新しい販売ルートを確立できたかもしれません。
また,製品そのものの優位性も,いろいろな方面から商品や技術の情報を収集して,客観的に把握できたと思います。
新しい分野へ挑戦する際には,綿密な調査と事業計画を策定する必要があると思います。
いきなり数千万の投資をしたこと
ビジネスはスピードと言いますが,工場まで準備し,数千万の出資を行った点は,悔いが残ったと思います。
起業の場合,小さく始めるのが,こつだと思います。数百万から始めて,ある程度,成功したら,再投資するといった具合に行うべきと思います。
いろいろと原因を上げてみましたが,起業は,1年で4割,3年で6割廃業することを考えると,成功する確率は低いと思います。
実は,私も,コンサル関連で起業を考えたこともありましたが,失敗された先輩の話を耳にし,また,顧客が見えなかったために,起業を断念しました。
定年退職後に起業を選択する方は,10%以下と言われていますが,もし,起業を目指している方がいらっしゃれば,参考にして頂ければと思います。
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