70歳就業法が2021年4月から施行されます。70歳就業法とは、ざっくり言うと、社員が70歳まで働けるように、すべての企業に努力義務を課すというものです。
一見、単に「再雇用が70歳まで延長するだけのことか」と思いますが、結構、この法案、50代、60代の方に影響を与えると思います。
そこで、今回、70歳就業法が50代、60代の方にどのような影響を与えるかについて考察してみました。
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50代、60代への影響
50代、60代の方への影響はいかのようなことだと思います。
・業績評価をより重視した再雇用者の業務評価の改定
・より多く早期退職を選択するための制度の見直し
70歳就業法とは
現在、義務化されている65歳までの雇用確保は、企業が以下のいずれかを講じる必要があります。
・定年制を廃止する
・65歳まで再雇用する
現状は65歳まで引き上げが19.4%、定年制の廃止が2.7%、再雇用が77.9%と多くの企業が再雇用を選択しています。
今回の70歳就業法では、上記3つ以外にも、以下の2つが加わりました。
・会社が行う社会貢献事業等に従事する
加えられた2つの選択肢は、社員としての雇用確保でないことがポイントです。
日本商工会議所の中小企業2939社を対象とした調査では、
・定年廃止 7.5%
・再雇用 56.4%
・業務委託契約を結ぶ 17.4%
・社会貢献事業に従事 2.6%
となり、業務委託契約を結ぶという会社が多くあることがわかります。
一方で、事業委託契約を結ぶ、社会貢献事業に従事するという選択は、組合の同意が必要ですが、健康保険といった社会保障や労災保険が適用外になります。また、最低賃金も保証されないため、注意が必要です。
考えられる影響
50代の賃金の低下
70歳まで再雇用となると。「同一労働、同一賃金」の問題が高まると思います。
そのため、再雇用後の賃金を上げる動きが多くなることが予想されます。
すると、企業側は賃金原資が限られているため、50代の賃金カーブを下げる、すなわち賃金を低下する動きになると思います。
実際、現在、大手企業でジョブ型雇用が導入されていますが、この動きは、上記のようなことも1つの背景となっているようです。
これらの情報は、NHKの報道からの抜粋です。
業績貢献をより重視した再雇用者の業務評価の改定
70歳再雇用を希望する方が、今後、増加し。企業側には、努力義務がありますので、65歳以降の社員の再雇用を検討する機会が多くなることが予想できます。
その際、希望者のうち、誰を再雇用するか判断が必要になりますので、業務評価で再雇用を判断する機会が多くなり、現行の65歳までの再雇用を前提とした業務評価を改定する必要性が増すと思います。
私は、業績への貢献度をより重視する再雇用者の業務評価に改定すると予想しています。
より多く早期退職を選択するための制度の見直し
努力義務とはいえ、いずれ義務化されることは予想されます。実際、60歳以上の雇用確保については努力義務から6年で義務化になっています。
したがって、企業は、70歳雇用の義務化に向けての検討を開始すると同時に、増加する労働力への対応として、現行の65歳再雇用を前提とした現行の早期退職制度を見直し、より早期退職を選択できるような優遇措置をすると予想します。
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70歳就労法への対応
58歳無職の人間が記載するのは、失礼かと思いますが、ご参考にして頂ければと思います。
今後の自分の働き方について計画する
なによりもまず、自分なりの今後の働き方、すなわち何歳までどのように働くかを計画する必要になると思います。具体的には60歳以降どういった条件でいつまで働くかです。
計画実現に向けての準備
計画に向けてのスキルや人脈の棚卸をするべきと思います。やはり、しっかりとしたスキルや人脈
がないと希望しない労働になる可能性が、今後高くなると思います。
会社へ明確な意思表示
いづれ会社側から希望調査があると思いますが、その際は、計画し、検討した働き方を明確に意
思表示するべきと思います。通慮なさらないように。
まとめ
70歳就業法とは
・定年を65歳まで引き上げる
・定年廃止
・再雇用
・業務委託契約を結ぶ
・社会貢献事業に従事
70歳就業法の考えられる影響
・業務貢献をより重視した再雇用者の業務評価の改定
・より多く早期退職を選択するための制度の見直し
70歳就業法への対応
・計画実現にむけての準備
・会社へ明確な意思表示
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