私も58歳ですが、50歳代は、家族、仕事の一区切りする世代だと思います。私の場合、子供たちも独立し、妻と2人暮らしです。仕事の方は、早期退職し、目下、次の働き場所を探しながら、失業給付金で暮らす日々を送っておりますが、私自身、家族、仕事に一区切りついたと思っています。
私の例で恐縮ですが、皆様も、同じ様に家族や仕事で、40代とは異なった立場になられていると思います。
そこで、今回は、金融広報中央委員会が調査し公表をしている「2019年家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」をもとに、収入、貯蓄、借入金、老後の4つの視点から、50歳代の皆様の実像を考察したいと思います。
尚、金融広報中央委員会とは、事務局が日本銀行内にあり、都道府県金融広報委員会、政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等と協力して、中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行っている委員会です。
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調査データ
収入
年間手取り収入(税引後)ですが、下表のような分布となりました。平均値 687万円、中央値 600万円となっています。回答総数は、671世帯です。尚、平均値とは、全体の総和を総数で割り算した値、中央値とは、小さい順に並べて真ん中の値を意味しています。
年間手取り収入額(税引後)(万円) | 世帯率(%) |
収入はなし | 0.4 |
300未満 | 6.7 |
300~500 | 19.1 |
500~750 | 29.4 |
750~1000 | 14.2 |
1000~1200 | 8.4 |
1200~ | 8.8 |
無回答 | 13.1 |
貯蓄
貯蓄については、4つの調査結果を用意しました。
まず、収入からどの程度の割合で貯蓄に回しているかのデータです。平均は9%です。回答総数は525世帯です。
貯蓄割合(%) | 回答(%) |
5未満 | 10.1 |
5~10 | 15.8 |
10~15 | 23.8 |
15~20 | 6.5 |
20~25 | 6.7 |
25~30 | 1.1 |
30~35 | 3.2 |
35~ | 1.9 |
貯蓄しなかった | 25.1 |
無回答 | 5.7 |
次に、金融資産保有額です。平均値が1194万円、中央値が600万円となりました。平均値と中央値に差がありますので、平均値は、貯金の多い方に影響されていることがわかります。そこで、中央値が全体を表す指標として、適切と考えました。回答数は、671世帯です。
資産保有額(万円) | 世帯率(%) |
非保有 | 21.8 |
100未満 | 4.5 |
100~200 | 4.6 |
200~300 | 4.0 |
300~400 | 3.6 |
400~500 | 3.6 |
500~700 | 4.9 |
700~1000 | 7.6 |
1000~1500 | 10.7 |
1500~2000 | 8.3 |
2000~3000 | 7.6 |
3000~ | 8.9 |
無回答 | 9.8 |
次に、資産運用の状況です。多くの金額を預貯金、保険に預けているようです。株式、投資信託が少ないことは以外でした。回答数は、671世帯です。
種類 | 金額(万円) |
預貯金 | 445 |
生命保険 | 324 |
損害保険 | 39 |
個人年金保険 | 145 |
債券 | 9 |
株式 | 118 |
投資信託 | 45 |
財形貯蓄 | 61 |
その他 | 9 |
最後に、資産運用の際の選択基準です。安全性、流動性が高い数字となっています。預貯金、保険が多いことから、これらの結果はうなずけます。回答数は、671世帯です。
選択基準 | 回答(%) |
収益性 | 16.4 |
安全性 | 41.1 |
流動性 | 21.9 |
商品内容が理解しやすい | 3.6 |
その他 | 14.0 |
無回答 | 3.0 |
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借入金
借入金は、45.7%の方がなしと回答しております。多分、50歳代後半の方々が、住宅ローン等の返済を終了したためではないかと思います。平均値が632万円、中央値が80万円です。回答数は、665世帯です。
借入金(万円) | 回答(%) |
借入金なし | 45.7 |
~50 | 0.8 |
50~100 | 2.1 |
100~200 | 3.8 |
200~300 | 3.6 |
300~500 | 4.7 |
500~700 | 3.5 |
700~1000 | 4.8 |
1000~1500 | 8.4 |
1500~2000 | 7.1 |
2000~ | 11.3 |
無回答 | 4.4 |
老後への意識
まず、老後に対してどのように感じているかの調査結果です。老後に対して、心配であるが、86.6%を示しております。ほとんどの方が、何かしら、心配しているようです。回答数は671世帯です。
老後 | 回答(%) |
それほど心配でない | 12.5 |
多少心配である | 42.8 |
非常に心配である | 43.8 |
無回答 | 0.9 |
そこで、年金についての調査結果を見てみます。すると約50%の方が、非常に厳しいという回答しております。このことから、経済的な面が老後に対する心配の大きな要因になっていると思います。回答数は、671世帯です。
年金に対する考え方 | 回答(%) |
年金でさほど不十分なく暮らせる | 1.9 |
ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる | 46.2 |
日常生活費程度もまかなうのが難しい | 49.8 |
無回答 | 2.1 |
50歳代の平均的な実像
いかがだったでしょうか?
私なりにわかった50歳代(後半)の皆様の平均的な実像は以下の通りです。
「手取り600万~700万円で、10%を貯蓄に回している。金融資産は、600万円~700万円程度ある、資産運用については、保守的で、8割を預貯金と保険に預け、2割を株および投資信託で運用している。借金は、家のローン等で、100万程度あり、ようやく目途がついた。しかし、今後の老後については、かなり心配しており、特に年金といった経済的な面で不安に思っている。」
私は、この結果を見て、「家族のためにまじめに働き、ようやく一段落つきそうだ。ただ老後にことを思うと心配だ。年金はあまり頼りにならないから、まだ当分仕事をしなければならないなー。でもこの年で再就職は厳しいそうだから、再雇用を考えるか。今の会社なら、なんとかやっていけるからな。」といったつぶやきが聞こえてきそうです。
実際、私のブログで、一番閲覧数が多いのは、ダントツで、下記にリンクを貼っている「50歳代の方必見!再雇用の実態 大企業ほど厳しい待遇になる?」です。多くの方が、「再雇用」を検討していることがこのことからよくわかりました。
60歳過ぎても、老後のためにもうひと頑張りしようとする皆様に心から敬意を表します。でも、一度、立ち止まって、人生を見直してみてもいいかも知れません。
私の場合、退職して、知らなかったことが多くあることに気づき、「井の中の蛙」だと思いました。それで、ブログを立ち上げて、初めてわかったことを皆様にお伝えしようと考えました。このように、いろいろと見えてくるものがありますよ。
50歳代の方必見!再雇用の実態 大企業ほど厳しい待遇になる? | 定年雑学クラブ (yamakichi-ya.com)
次回は、60歳代の皆様の調査を分析した結果を報告したいと思います。
最後まで、お読み頂きありがとうございました。よろしければ、ポチッお願いします。励みになります。
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